オバマの大統領就任演説について考えている。今回は、「そもそも大統領とは」を少しだけ、言葉の部分から考えた。
広辞苑では、大統領を以下のとおり定義している。
<全文引用>
【大統領】①(president of the republic)共和国における元首。直接国民から選挙され、あるいは議会その他の機関から選出されて、所定の任期の間、その国の全般の行政を統(す)べる行政権の最高首長。また、首相や閣僚を任命し、法律や条約に署名し、外国使使臣を接受するなどの形式的権限だけをもつ場合もある。②立役者の意で、親しみをこめて呼ぶ掛け声。「よう、大統領」
20日就任した第44代合衆国大統領バラク・オバマは、勿論、①の前者。実質的な最高首長だ。オバマに、「よう、大統領!」と声を掛ける人がいたらアメリカも勢いつくかもな。
形式的権限のみの大統領では、イタリアのベルルスコーニが代表例で、事業家、ACミランオーナー、メディア王としてあまりにも有名だ。ジョルジョ・ナポリターノという大統領の存在を知る者はインテリと呼んでも差し支えないほど認知されていないと思える。親しみやすい名前だから、すぐにも覚えてしまいそうなのに。因みに、イタリアは共和国。
また、wikipedia(日本)では、<要出典>の注が付され、以下の記述もある。
<抜粋>アメリカ合衆国の建国時に、国家元首の呼称として権威的な響きのない語を求めて、史上初めて採用した。
同様に、英語版wikipediaには、「president」の歴史として以下のとおり記述されている。(大凡の意味を記した)
英語では、元々英国で委員会や理事会の長(議長など)を指す言葉として使われた。
初期の例では、1179年から大蔵省の長、1464年からオックスフォードとケンブリッジ大学の学長、1660年から英国学士院の長ウイリアム・ブロンカー。
後に、13のうちの幾つかの植民地の政治的主導者に対して用いられる<1608年バージニアに発する>、正式には協議会議長。
最初の国家元首は、合衆国大統領のジョージ・ワシントン。アメリカにおけるその地位は、1774年にはじまる連邦議会幹事長に用いられた初期の用法を、「格上げ」したもの。
<以下、wikipedia英語版より引用>
As an English word, the term was originally used to refer to the presiding officer of a committee or governing body in Great Britain.
Early examples are the President of the Exchequer ("presidentis" in the original Latin, from the Dialogue concerning the Exchequer, 1179), the presidents of the universities of Oxford and Cambridge (from 1464), and the founding President of the Royal Society (William Brouncker, 1660).
Later this usage was applied to political leaders, including the leaders of some of the Thirteen Colonies (originally Virginia in 1608); in full, the "President of the Council".
The first President of a country was George Washington, the President of the United States. In America the title was "upgraded" from its earlier use for the President of the Continental Congress, the "officer in charge of the Continental Congress" since 1774.
さらに、
「president」という単語の成り立ちは、
大統領、会長
[語源] pre-(前に)+L.sedere(すわる)+ent(人[上座に座る人])<出典:地球人ネットワークを創る SPACE ALC>
日本語の大統領という言葉の語源は、ペリー来日の際、「棟梁」をもじって造語したという噂がある。
それはともかく、その背景を見てみると、「合衆国大統領」という地位は初めから最高位にあったわけではなく、アメリカ人が自らの手で押し上げていったものだということがわかる。英国が与えた一権限を、国家の最高責任者へと持ち上げたのだ。
オバマが就任演説で繰り返し説いた、「あの日」の記憶を呼び戻そうという訴えや、建国から変わらぬ「理想」こそが重要なのだという言葉は、現在の大統領の権限やアメリカ合衆国市民としての権利は、すべて自らの手で勝ち取ってきたものなのだということを国民に思い出させるためだったのだろう。黙って与えられるものはない。一生懸命勝ち取らなければならない、というメッセージだ。
過去の栄光に奢ることなく、これからの時代を自ら作り出し、自分達のものにしてくぞという誓いの言葉だったのだ。
果たして私はこれを、遠い海の向こうの他人事として批評家ぶるだけなのか、または命が宿った人間オバマの誓いとして受け取るのか。
宋文洲さんのメルマガに、そんな私へのきつい一言が記されてあった。「最近の中国人には『眼高手低』(望みは高いが、実行力がない)のような人が多い」
あまり大きな風呂敷を拡げることばかりせず、まずは足下をしっかり。その中にこそ、オバマの言葉は活かせるだろう。
1 件のコメント:
なんだかもう、オバマが演説するたびに、
暗殺されやしないかと、心配をしてしまいます。
まあ、私からの心配なんて全く必要とされてませんが。
しかし、一国の大統領選にこの規模の大きさ、
いかにアメリカが世界で一番のパワーかってことを表してますよね。
建国の歴史は浅いのに、、と考えると本当に驚異的。
イギリスで労働党が政権をとり、トニーブレアが首相になった時もかなりインパクトでしたが、
アメリカの比じゃない、、!
しかもブレアは、はなからただのショウマンて感じだったし、、見た目もアホっぽいし、、
「オバマ」への期待をメディアがどんどん助長する中、
アメリカ国民、しいては世界中の人が
yes,WE canの本当の意味を理解しなくてはいけないと思う。
でないと、オバマはこけてしまうかも。
あのセレモニー後のやたら感傷的な華麗なるメンツの
コンサートを観て、心配になった。
U2の歌の間のMCとか、ちょっとオバマがかわいそう。
と思ったのは私だけでしょうか、、
そりゃ、もう黒人の大統領ってだけでもbig dealだけど、そこまでせずとも、、、みたいな。
とりあえず、グアンタナモを閉鎖するという大統領、グッジョブです!
そして、ノッチにも期待!
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