山本モナがコケたのは、仕事にしても恋愛にしても「はっきりしない女」だったからだと、山中登志子は言いきった(山本登志子って誰?)。
ずいぶん前になるが、レスター教授ことアンソニー・ホプキンスの来日に際しインタビューを担当した久米宏は、インテリでインタビュー嫌いのホプキンスに対し徹底的にオバカインタビュアーキャラで接した。当然、TVスクリーンを通しても分かりすぎるほどホプキンスは怒っていた。何年も経過していながら、嫌気がさすほど鮮明に記憶の残る無様なインタビューだった。山本登志子ふうに分析すれば、インテリとも真面目コメンテーターとも位置づけされていなかった久米は、かつてクイズや歌番組で定着したオトボケキャラを敢えて自キャラとして立ち位置を印象づけたということだったのだろうか。ニュースステーションのMCを長年続け、妙に日本の「ふつう」な常識人の顔を持ち始めた自分のポジショニングを、ホプキンスへのインタビューを機にリセットさせたかったということか。「やっぱり唯の人でした」って。
久米はその後、ニュースステーションを降板。そのインタビューがきっかけの一つになったというのは考え過ぎか。
ミニノートとかNetbookとかが、所謂パソコンのトレンドとして持て囃されている。つい最近もソニーの新型ノートPC投入のニュースでネットのニュース紙誌面は大賑わいだ。PCだから機能は多彩だし見た目も華やかだ。私は、既に生産が終わったシグマリオンというPDAを2世代使った。小型だからキーボードは打ちにくかったが荷物としてほとんどかさばる事がなく(単庫本程度の大きさで半分の薄さ)、USB接続やSDメモリーによってデスクトップへデータ移行が出来たから、出張時のインタビュー記録や報告書のネタ記録用としては充分だった。繋ごうと思えばネット接続もできた。繰り返しになるが、どうせまともな仕事環境が期待できない出張先でのテキスト入力(結局仕事場に戻ってフィニッシュワークが必要なのだ)には十分なガジェットだった。そのための道具として、はっきりした機能の割り切りがあった。惜しい代物だった。
冷蔵庫に電話機を入れていた。二種類あったから気分で使い分けていた。ひとつはバドワイザーの缶でもうひとつはハーシーのチョコレートが牛乳パックに入っているモノ。どちらも見た目は缶ビールであり、飲むチョコレートのパックなのだ。もともと電話だからきちんと通話もできる。但し、トーンの出ないプッシュボタン式で本当に通話が出来るだけだった。どうせ電話なんか希な事だったし、彼女が居なけりゃ長電話の必要もない。たまの来客に、「電話貸してくれる?」と頼まれるのをひたすら待った。「いいよ、冷蔵庫で冷えてる」と答えた時の相手の呆け顔を楽しむため「だけ」のアイテムだった。
最近の携帯は、電話なのかメーラーなのか音楽プレーヤーなのか、はっきりしない。最近のビールの類は、ビールなのか発泡酒なのか第三種なのか、その差がいったいどれぐらいのモノなのかはっきりしない。最近のお笑いは芸なのかどうかはっきりしない。最近の男も女も、愛し合っているのか畏れているだけなのかはっきりしない。「そのうちみんなこけるぞ」と山中登志子が言ったかどうか知らないが、「成功に至る第一歩は、自分が心に何を望んでいるかを見つけ出す事です。それがはっきりとわからないうちは、何を期待してもだめです」とカーネギーは言っているぞ。
注)写真は本文の内容とは全く何の一欠片の関連もありません。
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