イチローは替えられないのだろうか。ついでに、小笠原と福留も替えられないのだろうか。
この三人は、明らかに調子が悪い。
たった今、5回の表の攻撃で日本は1点を返した。ノーアウト一、二塁のチャンスで岩村がショートゴロ。1アウト一、三塁で登場したイチローはセカンドゴロ。この間に三塁ランナーがホームへ返り得点した。それ以外は、東京ドームで完封されたホン・ジュングにまたしても押さえ込まれている。
この試合に限らないが、イチローの前で下位打線がしばしばチャンスを作る。一番イチローはそれを活かせない。そんなシーンがここまで続いている。イチローは2打点を記録しているとはいえ、二つとも内野ゴロの間に三塁ランナーが生還したもの。打率は既に2割を切っている。全く活躍できていない。ことごとく期待を裏切っている。
テレビの解説を続けている清原もイチローを批判することはしない。しかし、大事をとって休んでいる中島に対し、「この試合、大事をとってる場合じゃないですよね」と痛烈な一言を発した。調子の上がらないイチローにこのまま出場させている場合なのだろうかと首を傾げる。
イチローを批判するわけではないが、イチローのためのWBCがあるとは思わない。同様に、フォアボールを選ぶことでしか繋げることのできない小笠原、塁にランナーが居ない時にしかヒットが打てない福留も同様だ。原監督は、コンディションがベストの選手を選んでいるはずだ。とすれば、韓国に勝てない日本は優勝ができないチームということだ。何らかの策を講ずべきだろう。
昨晩、NHKのザ・プロフェッショナルに出演したサッカー日本代表の中澤は、「人を幸せにするのがプロフェッショナルだ」と言った。38歳で未だに挑戦を続ける辰吉丈一郎は、タイで行った19歳相手の試合でTKO負けを喰らい試合中の記憶をなくしていながら、「このまま終われんやろ」と吐いた。
今回のWBCは、「二連覇を目指せるのはニッポンだけ」という宣伝文句にあおられ、当然優勝するものだという雰囲気が漂う。しかし、戦前イチローは、「守るのではなく、取りにいく」と確かに言った。その言葉を聞いて我々はホットした。慢心はない。泥だらけでも厭らしくても、ニッポンは勝ちに行く。そう信じて国中が沸き立っているのだ。
だったら、そうすべきだ。韓国は間違いなく強い。そして、今日またホン・ジュングにしてやられた。日本の投手陣は、強さ安定感ともどの国にも引けをとらない。メジャーリーガー三人を下位の打線に並べる勇気が原監督にはあった。絶不調の一番バッターを替える、巨人の主軸打者や、今ひとつ乗り切れないメジャーリーガーの打順をいじるぐらいのことはできるだろう。やるべきだ。
試合が進んで6回ウラ、韓国の攻撃に入った。ダルビッシュは初回3点を失った以降、吹っ切れたのか抜群のピッチングで後続を断った。マウンドには、韓国が苦手とするアンダースローの渡辺が立っている。二死一、二塁のピンチを迎えた。